公認会計士試験を独学で合格することは可能か?

公認会計士は会計資格の最高峰であるために大学生や社会人から人気の資格ですが、難易度は非常に高いです。
そんな公認会計士試験を独学で目指す人もいると思いますが、この場合はどんなメリットやデメリットがあるのか。
そして、独学で合格することは可能なのか、詳しく確認していきましょう。
公認会計士の試験制度
まず、公認会計士試験は3つの試験に区分されており、最初の目標は論文式合格となります。
試験区分 | 試験科目 | 受験資格 |
---|---|---|
短答式試験 | 財務会計論、管理会計論、監査論、企業法 | なし |
論文式試験 | 会計学、監査論、企業法、租税法、選択科目 | 短答式試験合格者 |
修了考査 | 会計実務、監査実務、税務実務、経営実務、職業倫理 | 実務経験および実務補習修了者 |
論文式合格後は、修了考査を受験するために監査法人等での実務経験が必要となるので、就職して2年間の実務経験を積みながら実務補習を3年間勉強していくことになります。
また、論文式試験に合格できれば、ほとんどの人が公認会計士になれるので、これから公認会計士を目指す人はまずは論文式合格までを目標に勉強していきましょう。
合格者のほとんどは資格学校で勉強
今回は独学で公認会計士試験を合格できるかがテーマですが、ほとんどの合格者は資格予備校に通って勉強しています。
したがって、予算や時間が許すのであれば、独学よりも公認会計士試験の合格実績が豊富な予備校や専門学校に通学するほうがおすすめと言えます。
なぜ、独学ではなく予備校や専門学校に通学する人が多いのかというと、試験難易度が高い点、そして、試験科目が多く学習範囲が膨大であるために自分一人で合格レベルまで勉強するのが非常に難しいためです。
それでも独学で公認会計士を目指したい人は独学にはどんなメリットやデメリットがあるのか確認していきましょう。
独学で公認会計士を目指すメリット
お金がかからない
独学で勉強する最大のメリットはやはりお金が節約できる点です。
大原やTACの公認会計士講座を初学者から始める場合、70万円くらいの費用負担が生じてしまいます。
いっぽう、独学であればテキスト代のみで済むため、試験対策にかかるお金を大きく抑えることが可能です。
70万円も公認会計士を目指すのに払えないという人もいると思うので、この場合、独学で勉強することでお金を節約しながら合格を目指せるということになります。
マイペースに時間をみつけて勉強できる
公認会計士講座は試験日から逆算して緻密にカリキュラムが組まれており、計画通りに勉強していかないと授業についていけなくなってしまいます。
また仕事や学校が忙しくて何コマも授業を受けていないと、だんだんモチベーションも下がってしまいがち。
独学なら、講座のカリキュラムに拘束されることはないので、自分のペースで時間を見つけて勉強できるメリットがあります。
独学で目指す場合はのデメリット
市販のテキストが圧倒的に足りない
簿記と違って公認会計士の参考書は市販されている教材量が圧倒的に足りないです。
それだけ独学よりも通学して勉強する資格試験だということです。
しかも、公認会計士の教材は問題集がほとんどで、知識をインプットするための教科書的な教材が発売されていません。
各試験科目の実務書などを購入して知識を得ることになりますが、公認会計士試験に特化した書籍ではないので効率的だとは言えません。
質問できる環境がない
公認会計士試験は問われる知識が専門的かつ高度・複雑であるため、独学で勉強していると必ず分からない論点に出会ってしまうでしょう。
この場合、講座を受講している人であれば講師に質問して解決することが可能です。
いっぽう、独学は質問できる相手がいないので、他の書籍を参考にしたり、何度も考えて答えを導かせたりと非常に非効率。
しかも、解説できない場合のほうが多く、これをきっかけに挫折してしまう人も少なくありません。
勉強時間の確保が難しい
独学のメリットではマイぺースにべ強できると紹介しましたが、これはデメリットでもあると言えます。
学習量が多く、学習計画を細かく決めて計画通りに進めないと、合格レベルまで到達するには何年もの時間を要してしまいます。
公認会計士講座でも1.5年または2年講座が一般的であり、独学であれば勉強時間はもっと必要です。
時間割が決まっていれば、半ば強制的に勉強する人も多いと思いますが、自分で管理して勉強となると、なかなか思うように進まない人が大半ではないのでしょうか。
まとめ
今回は公認会計士を独学で目指す場合のメリットやデメリットを紹介してきました。
以上のようにメリットよりもデメリットの方が影響が大きく、一般的に独学で公認会計士を目指すとなれば、無理または無謀だと言われるでしょう。
独学の勉強法は決して無理とは言いませんが、最短または確実に合格を目指すのであれば資格予備校等の黄に会計士講座をすることを強くおすすめします。